それから姫香とは一言も話さなかった。

・・・それにしても、

相変わらず南くんの席の周りには

人だかりがある(’A

まだ転入してきて2日目だからかな?

そんなことを考えていると

「ねぇ、彼方くん。彼女いるの?」

や、「メアド教えて?」という

女子からの質問が南くんに殺到していた。

大変そうだなぁ・・・。

「彼女はいないよ。メアドは・・・教えないw」

と南くんが言うと

「彼方くんのいじわるー。」

という声が多かった。

そんなやりとりを見ていると

南くんと目が合ってしまった。

あわてて運動場のほうを見ると

1時間目が始まるチャイムが鳴った。

なんで・・・ドキドキしてるんだろぅ?

初めての気持ちだなぁ・・・。

南くんは、他の男の子とは違うのかなぁ?

と考えていると

机に1枚のメモの紙が置いてあった。

なんだろ?と内容を見てみると

「なんで目そらしたの?

なんか、傷ついたんだけど。 彼方」

と書いてあった。

ぇ、傷つけちゃったんだ・・・。

謝らなきゃ・・・。

そう思って、メモに

「ごめんね。 千春」

と書いて隣の席の南くんに渡した。

しばらく経って、

またメモが机の上に置かれていた。

「そういえば、今日の髪型かわいいね。

それでメイドやれば似合うと思うよ? 彼方」

と書かれていた。

なっ・・・と驚いた顔をしていると

机をトントンと誰かに呼ばれて

そっちの方を向くと南くんの姿があった。

私たちの席は、一番後ろだから

先生には見つかりにくいのだ。