恋くんは一次通過した。 あとは二次審査と最終審査。 恋くんに合格してほしい。 そして笑ってほしい。 「恋くん、一次通過おめでとう。次も頑張ってね」 「ありがとうございます」 メイクさんの言葉に恋くんは微笑んだ。 今の私には微笑むことすらできない。 …最悪だよ。 「最近、学校来ないけど何かあった?」 後ろから恋くんの声が聞こえた。 「…な、何もないよ」 “笑えなくなった”なんて言ったらどう思われるだろうか。