3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「マスター、田中さんたちの所にスペシャルブレンド二つお願いします」


 急に大志くんが横からヌッと出てきてビックリしてしまう。

 大志くんは私の真横から、カウンターに手をついて前のめりにマスターを見ていた。


 肘まで巻くられたシャツから出ている腕がスッとして綺麗で、思わず見つめてしまう。


「実句さん、腕フェチ……?」

「ちがっ」


 急に声が降ってきたので、慌てて上を見ると、大志くんが意外に近い距離で私の顔を覗いていた。

 すぐ目の前の大きな瞳に、ドキリとしてしまう……。


「……」

 大志くんが何か言いかけるように口を開き、すぐ閉じてしまった。

「どうしたの?」

「何でもないです」

 ニッコリと笑う大志くん。営業スマイルだ。