「どうでしょう……。彼が妬くなんて想像できないけど……」
確かに、今までは朋くんがいるからってことで、そういう誘いは断っていた。
だけど、それは朋くんが妬くからじゃない。
朋くんがいるから、行く気になれなかっただけ。
――朋くんが妬いた姿なんて、見たことあっただろうか?
学生時代の友達みんなと飲み行ったときだって、普通に行かせてくれてたし……。
「でも、やっぱり行かないのが当たり前ですよね」
いくら話を聞きたい仕事をしてる人だからって。
「まぁ、付き合いで断れないとかあるだろうから、何とも言えないねぇ」
マスターはそう言いながら腕を組むと、難しい顔で口を閉じた。

