目の前の、十七歳の男の子が急に大きく見えて、驚いてしまう。



「大志くん……」



 大志くんの真っ直ぐな瞳を見ていると、目がそらせなくて。

 胸の中で消そうとしていた想いが再び湧き上がってくるのを感じた。



「うん……うん、そうだよね! 私、まだたかだか二十三だもん。

諦めるにはまだ早いよね」


 大志くんがウンウン、と何度も頷いてくれている。



 ――そうだよ!



 こないだ、大志くんに「簡単にはいかないだろうけど、頑張ってね」って自分で言ったばかりじゃん。


 このままじゃ、そんなこと言う資格ないよ。




 私の未来を、私が諦めてどうするの。