私はズキズキと痛む胸を押さえながら、ひとつ上の階で降りる。



 確かに、待てとは言われてない。


 私が勝手に待ってただけ?


 事故にあっても連絡くれなくて、私に心配なんてされたら迷惑で。



 "俺からは、連絡しない"



 それって、もう、終わりでいいってこと?



 ――なんだ、あっさりだったね。



「三年……長かったな……」


 呟いて上を向いた。

 白い、タイルの天井しか見えない。


 うん、こんな場所で良かったかも知れない。




 もし、夜に会って話してたら……さすがに涙ひとつくらい、出たかも知れないから……。