「……合コン、どうだった?」


 そう口にした途端、マスターの口角がニヤリと上がった。


 どんな真面目な話かと思ったら、それですか!?


「木曜日来なかったってことは、合コンだったんでしょ? でも、昨日は大志がいたから聞けなくてさ」

 肩をすくめるマスターに、内心ヒヤヒヤしてしまった。

「な、何で大志くんがいると……?」


 まさか、大志くんが何か言ったとか……?


 するとマスターがカウンターから身を乗り出して、少し声を潜(ひそ)める。


「だって、実句ちゃんが合コンで誰かいい人見つけたら、あいつ勉強が手に付かなくなりそうでしょ?」


「そ、そんなこと……」

 自分でも赤くなってきたのを感じながらも、首をフルフルと横に振った。