「……」
深呼吸をしても、胸の高鳴りは収まりそうにない。
大志くんの褒め言葉なら何度か聞いたのに、何でこんなにドキドキしてるんだ……。
――ジュースでも飲んで落ち着こう。
そう思ってロビーに出ようとしたとき、突然入ってきた人にぶつかりそうになった。
「すいません」
謝ってきた人を見ると、ポニーテルの可愛い、制服姿の高校生だ。
その女の子は室内をキョロキョロと見渡すと、何かを探しているように急ぎ足で中に歩いて行った。赤いシュシュがやけに印象に残る。
私も高校生の頃よくポニーテールにしてたなぁ。
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