3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「あぁ、ここですね……」


 大志くんは全く気にした様子もなくノートに図解を書きはじめた。


 サラサラ~っと。

「これがこうなって……」


 説明も付け加わると、それはとても分かりやすくて、思わず感嘆の声が漏れる。


「すごいねぇ……」


 うっかり普通に声を出してしまい、慌てて口を閉じた。

 大志くんは優しい目をしながら、シーッと唇に人差し指を当てている。



 何だか恥ずかしくなって俯いてしまった。




「……可愛い……」



 ――!?


 ビックリして見ると、大志くんもハッとしたように口元に手をやる。



「……トイレ行ってきます」


 大志くんはそう小さな声で告げると、顔を伏せたまま出て行ってしまった。