3番目の高度合成数。-年下のキミと-

 ところが、そう簡単にはいかないらしい。

 最初は順調に読んでいけたけど、分からないものが連発してきた。

 う~ん。


 チラリと横を見ると、いつからなのか、大志くんがこちらを見ていてビックリしてしまった。

 優しい微笑みを浮かべている。



 ……そんな見守るような顔されたら、不覚にもドキドキしちゃうんですけど……。


「詰まりました?」


 大志くんが小声で囁く。

 幸い、前後左右の席には人がいないし、聞いてしまおう。


「ちょっとここら辺が……」

 私が指差すと、大志くんがこちらに身を乗り出してきた。



 大志くんの柔らかそうな髪がすぐ触れそうな距離にある。



 ……近い……。




 こんな静かな場所でこんなに接近すると、さすがに意識しちゃうよ。