「あたしには風見亮がわからない…。あたしは亮君のこと信じてるのにみんなは違うの?亮君と一体なんの関係があるの…?」
泣きはらした後、そこからの意識はもうなかった。
そして亮君を疑うこともなく、今まで過ごした。
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日曜日、学校は休み。
亮君にも会えない。
だからこそ、今はっきりさせておきたい事がある。
あたしなりに一晩考えて出した結論。
それは、
“亮君との関係”
どうして香子さんが亮君のことを知っているのか。
そして、どうしてそれを隠すのか。
勇気を振り絞り、喉の奥から声を出した。
「香子、さん」
「なあに、翼」
いつもと変わらずに微笑む。
あたしの胸は高鳴るばかり。
「亮君のこと、ちゃんと教えて…」
香子さんの表情は亮君のことを話したあの日と同じ。
「どうしても?」
「どうしても」
ソファに座った香子さんが目の前に座るようにと指をさす。
そして…、亮君のことを話し出した。

