翌朝、憂鬱な気分で学校へ向かう。
もちろん亮君と一緒に。
「ねぇ、亮君。あたしに何か隠してること…ない?」
「俺が翼に隠し事?ははっ、あるわけねーじゃん!」
「そーだよね!ごめん」
そんな軽い返事で済まされる話じゃなかったよね?
…なのにどうして?
あたしは亮君にとって負担でしかなかったのかな…。
やっぱりあたしたちは出会わない方がよかったんだよ。
君もそう思ったでしょう?
この世界は残酷で、そして、どうしようもないくらいに美しく黒い光を放っていたんだ。
あたしの闇はあたしが思う以上に深いものとなっていく。
「俺は、翼が学校になじんでいくのを見ててさ、とても嬉しいんだ。
出会ってからはまだ間もないかもしれない。でも、俺は翼を支えたい」
亮君の笑い方がどこが切なくて寂しくて苦しそうにみえた。

