あたしはうつむいた亮君になんの言葉もかけてあげることが出来なかった。 こんなに明るい亮君に暗い過去があったんだね。 「亮君…ありがと」 「頑張れ、翼」 「亮君も頑張って。その子にだって亮君の気持ちは届いてるよ、あたしと違ってその子は…生きてるんだから――」 そうだよ、生きてるじゃん。 もしも、今亮君の気持ちが届いてなくてもいつか届く日がくる。 まだ時間はたっぷりあるよ。