あたしは、小羽根に行きたい。



両親のいない世界で初めて出会った、風見亮という名の男の子の学校――。



障子の黒い取っ手を左にながした。


一瞬驚いた顔であたしを見てそれが嘘かのように今度はいつもの叔母さんの嫌な顔。



こんな表情に負けてどうするのよ!人間は1つの顔しか持ってない訳じゃないのよ!



心の中の小さいあたしが背中をぐいぐいと押す。