線香花火~ひと夏の小さな恋~

「あの、実はあたし、本郷先輩が好きなんです。」


いきなり、桃子ちゃんは真剣な目でそう言った。

やっぱり、優馬はモテる。

「それで、実は杏李先輩に協力してほしいんです!」

桃子ちゃんは、小柄な体を乗り出す。

「杏李先輩なら、本郷先輩とすっごく仲のいいお友達だし、気軽に接してると思うんで!」

「本当に私なんかでいいの?」

「はいっ!もちろん!」