頬に幾筋もの

涙の痕を遺したまま

眠りに落ちる、その前に


優しく撫ぜる一筋の光に顔を上げ

目を疑った

お天道様にそっくりな、

でも哀しそうで切ない

まぁるい御顔


よく似ているけれど

その光はかぼそくて

よく似ているけれど

誰もその光を知らなくて

冥い冥い空の上

たった独り寂しげに微笑むのは――




きれいなきれいな

―――――お月様





トラツグミの奏でる

物哀しいセレナーデの下

小鳥は悟った 自分は独りじゃないと

小鳥は誓った 貴方だけを見つめようと


寂しそうに震える貴方の事を

この世の誰一人知らなくても

自分が貴方を愛しましょうと


―――