それどころか、京哉は険しい顔をしていた。
京哉以外の男の子はあたしに声を掛けてくれた。
「大野さん…頑張って」
女の子も何人か声を掛けてくれた。
「……ありがと」
あたしは音楽室を後にした。
廊下には1枚の紙が落ちていた。
“裏庭に来い”
乱雑にそう書かれていた。
急いで書いたからか、元々こういう字なのかはわからないけど。
裏庭に出ると実咲とその仲間の4人が固そうな棒を持っていた。
「……あんたたち大勢で…しかもそんな棒がないと勝負できないわけ…?」
「ふん。勝負にそんなの関係ないわ」
なんて自己中な…。
「あんたたち――っ!?」
あたしは両腕を2人に掴まれた。
「ちょっ!?」
「暴れんな!!」
パンッ!!
あたしは実咲に頬を叩かれた。
「………バカみたい」
「…はぁ?」

