…え？えぇ？
「あたしがっ!?」
思わず大きな声がもれる。
「…大野さん。やっぱり聞いてなかったの？」
「え…あ、いや…」
「まぁいいわ。成績に響くから気を付けてね？」
「…はぃ………」
あぁ…ちゃんと聞いてればよかったぁ…。
心華は「バカ…」と小声で呟いていた。
うぅ…。伴奏なんて…。
「先生!!」
「どうしたの？」
「大野さん話聞いてなかったし、任せれるとは思えません。あたしやります」
そんなダメ出しをしているのは、バッチリメイクをした実咲。
話聞いてなくて悪かったけど…あたしだって好きでなったわけじゃない!!
「それなら最初から言ってくれればよかったじゃない」
「それはっ………」
「先生」
「…大野さん？」
「実咲さんでもいいと思います」
「なによ…“でも”って…」
