お母さんはニヤニヤしながらあたしを見ていた。
「…なに?」
「美愛ったらなんかあった?」
「え―…なんかあったって言ったら…とある男の子と会うの」
「え!?彼氏!?」
「かか…彼氏!?そんなんじゃないよ!!」
「その人の事好きなの?」
好き…?
あたしが…前川を??
「そんなわけ…ないよ」
「…そう……」
前川が…好き…かぁ…。
そんな事…考えた事ない…。
好きなんて…そんなわけない…。
でもどうして…胸がズキズキ痛むんだろう…。
「…もう行くね?」
「え?もう?」
「…うん。今日は早く行く…」
「そう。いってらっしゃい」
「いってきます」
家を出て、学校へと向かう。
「はぁ―…」
自分で勝手に家を出たけど…やっぱりまだ早すぎたなぁ。
〜♪〜♪
着信の相手は…前川だった。
「…もしもし?」
『いや―、目覚めただろうから。どっか遊んでから行かないかな―?って思って』
「ん…まぁいいけど」
…違う。
まぁいいんじゃなくて……一緒にいたい。

