なによ…なによ…なによ…。 「…離してよっ!!」 「絶対離さない」 …男の力にはかなわない。 「…言えばいいんでしょ?」 「うん」 「…今日紗雪さんといたでしょ」 「え…なんで名前…」 「ちょっとね…」 「美愛。浮気じゃないって」 「じゃあなによ!!!!」 あたしの怒りは満ち、京哉の腕を強引に振り払った。 「知ってるんだから…腕組んでたのも…仲良く歩いてたのも…」 「違うんだって」 「嘘!!」 「違うって!!!!」 京哉の両手はあたしの両肩を捕らえて動かさせようとはしない。