「…全てを捨てることって、具体的には?」 「言葉のまんまだよ。」 冷や汗を流しながら聞く俺に、対象的に笑顔の少女。 何故か話しているだけで、凄い威圧感を感じる。 「過去も夢も友達も…名前さえも。 『佐藤陸斗』という存在、全てだよ。」 「っ…!」 コイツ軽々と言いやがったけど 内容ヤバいじゃねぇか!! 「…そんな条件、呑むわけ無いだ「本当に?」 意外だという風に、驚いた顔をする少女。 今思うと、笑ってる顔以外に見た初めての表情のような気がする。