『じゃあ二階、案内しますね』


なるべく音を立てないように二階へと上がっていく


『どうぞここなんですけど…』


"パチン"と音と共に光が差し込む


部屋の中には天井まで届くぐらいの本棚があり


ぎっしりと本が詰まっている


『今は使ってないから、ちょっとホコリ臭いですね』



少し困ったように笑う凛湖


たしかに使われていないのか、ホコリと本独特の香りがしている


『ここは元、書斎だったんです』


『亡くなったお父さんの?』


凛湖はちょっと驚いたように振り返った


『お母さんから聞きました?』


『うん』