いつの間か凛湖が静止するかのように、俺の手に触れ

強い瞳でオヤジを見据えている




『父親は家族を守る為に居るんじゃないの?』



オヤジも虚ろな目を凛湖に傾けた




『家族の長っていうのは家族守る為にいるの

そして父親は優しくないとダメ


甘やかせって言ってるんじゃない

時に叱るのも愛情だと思う』



俺は凛湖がこんな凛とした表情で話すのを初めて見る

普段はやんわりと微笑んでいるのに



ちょっと驚いた俺は、オヤジを掴む手を緩めていた




『だけど"叱る"と"怒る"は違うんだよ


おじさんはただ自分の感情を弱い物にぶつけてるだけ

不満をぶつけて"怒っている"だけだよ』