「…ぅ…ん…」


ダルそうに目を開く美和。
それから、どこかを見つめたまま動かなくなる。


「…美和?」


そう呼んだら、ようやく俺に気が付いた。
ジッと俺を見つめ、それから…また、どこか遠くを見る。
美和は何も言わない。

とにかく、ナースコールを押す。美和が目を覚ました、それに間違いは無い。



――だけどその後、医師から告げられた言葉は俺たちの未来を変えるモノとなる。



「…記憶が、無い?」



――……。




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