――……。
冬馬兄ちゃんはいわゆる普通のサラリーマン。
勤めてる会社が私の通う学校の目と鼻の先…と言うことで、しょっちゅう送ってもらっている。
「なんか食べるか」
そう言って、通い慣れた(と言うのも変だけど)コンビニで車を止める。
いつもと同じ光景。
そしていつもと同じ、私は用もないのに携帯をいじる。
…これはもう癖だ。時間があればとりあえず携帯を開く。
変化の無い日常に無理矢理にでも「何か」を見つけようと、携帯を開くのかもしれない。
「お待たせ」
開いたドアと共に聞こえた声。
コンビニの袋を私に預け、車を走らせる。
「コーヒーは俺の。
あとは持って行っていいよ」
「あ、ありがと…」
一人で食べきるには多い袋の中身は、おにぎりとサンドイッチ、それにプリンに飲み物…。
「ちょっとこれ、多すぎ…」
「朝飯と昼飯。ほら多くない」
まぁ、そう考えれば…普通かな…?
でも、学校に持って行くにはちょっと多すぎて恥ずかしい…かも。
「まだ若いんだから、いっぱい食えよ」
冬馬兄ちゃんはそう言って笑った。



