「話は聞いてるよ」


優しい顔で笑い、そのまま言葉を続ける。


「別にね、彼女…君のお母さんを恨んだりはしていない。
僕に足りないものがあった、だからこうなっただけだから」

「…っ…でも…ごめんなさい…」

「君は何も悪くない。
お父さんとお母さん、幸せに暮らしてるんだろう?
僕も幸せに暮らしてる。だからいいんだよ」


そう言ったお義父さんは本当に幸せそうな顔をしてた。
それから冬馬兄ちゃんが声をかける。


「実は、麻実以外にもお客さんが来てる」


言いながら部屋を出て行き、数秒後に戻ってくる。
そこには、お義父さんと同じくらいに見える女性と、7歳くらいの男の子が居た。


「僕の妻、さやかと息子の圭太郎(ケイタロウ)」

「えぇ!?」


…誰より驚いたのは、私だった。