――……。


連絡を取り合わない私たち。


「おかえりー。今年も来てたよ、冬馬くんからのプレゼント」


私も社会人となっていたけれど、相変わらず毎月3万円が振り込まれていた。
それと、誕生日プレゼント。
毎年欠かさず贈られてくるプレゼントだったんだけど…今年は少し違っていた。


自室で開いた箱の中には、花束とネックレス。
そして…手紙。
5年間のうちで、初めて入っていた手紙。


【 Nao vejo a hora de te encontra.
数日中に帰る 】


…冬馬兄ちゃんからの手紙は、英語とは違うような言葉から始まっていた。
そしてそれに続く言葉に、鼓動が速くなる。


「冬馬兄ちゃんが…帰ってくる」


5年間、お正月でさえ帰って来なかった冬馬兄ちゃんが、帰ってくる。
しかも数日中!

…どうしよう。いつ戻るんだろう?
ずっと待ってた方がいいかな?でも、仕事がある…。


服も着替えず悩んでいる私に聞こえてきた、ドアをノックする音――。