それから良明くんはベッドに座り、隣に来るように促した。
少し迷ったけれどそれに従い隣に座る。


「…あいつと会ったから俺は変わったんだと思う。
なんていうか、変な言い方だけど…人間らしさを取り戻した?って感じかな。
今でも仲間と一緒の方が楽だけど、物足りなさを感じることがある。
それってきっと、あいつの影響だと思う」


そう言った良明くんが私の手を握る。
瞬間、心臓が飛び出しそうなくらいに鼓動を速める。


「…ファミレスでの質問、答えるよ」


私が言った言葉。それに対する答えを良明くんはゆっくりと話し出す。


「“好きになってもらえるよう努力する”って言ったのは事実だけど、本当は、俺があいつから離れたくなかった。
俺、あいつが居なきゃ楽しくないんだよ」


良明くんはふんわりと優しい笑顔を見せた。