幼なじみは年の差7歳【完全版】



時計は午後3時を回ったところだ。
旅館では夕食の支度が既に始まっている。
今日は団体客が入っているらしく、いつも以上にみんな忙しそうだ。


「伯母さん、かき氷のシロップってまだあったよね?」

「あ、無くなっちゃった?ちょっと待ってねー」


ちょうど来た伯母さんは笑顔で奥に消えていく。
そして2、3分待つと、袋に山ほど入ったシロップを持って戻ってきた。


「ちょっと重いかな…大丈夫?」


確かにずっしりと重い。
一つならそう重くないけれど、袋いっぱいのシロップはやっぱり重い。


「休憩しながら行くから大丈夫。
伯母さん、ありがとう」


なんとかそれを抱え、歩き出す。
だけど外は暑く、休憩をしながらでもなかなか前に進めない。


「…ねぇ、手伝おっか?」


そんな風に言われたのは、ビーチが見えてきた頃だった。