(…みんな良明を見に来てるみたい)
良明が居るから中に入り注文する。そんな女性客が多い気がする。
イケメン効果…というやつだろうか?
本人は相変わらずで、そんなことなんて思っていないだろうけど。
「なぁなぁ聞いて、水着のおねーさんにデート誘われた」
そんなことを笑顔で言ってくる。
「…バカ、そんな時間無いって言ったでしょ」
「別に誘われただけで行くとは言ってないんだからいいじゃん。
さてはお前、自分が誘われないから嫉妬してんだろ?」
ニヤニヤと私を見てくる。
…なんだか良明と話しているだけで疲れてしまう。
「…はいはい勝手に言ってれば。
私ちょっと旅館に戻ってシロップ取ってくるから、あとはよろしくね」
良明にエプロンを投げつけるようにし、外に出る。
…やっぱり暑い。
暑いから、かき氷がよく売れるけれど…肝心のシロップがほとんど残っていない。
星村さんたちに海の家を任せ、ジリジリと肌を焦がすような太陽の光を避けながら旅館へと走った。



