「また彼女って言ってるー。名前で呼んだらいいのに」 「そうは言っても、今は他人だからね」 美香の目は、僕の顔をみて、悲しそうな……、それでいて決意を込めた眼差しへと変わる。 「あのさぁ、前から言おうと思ってたんだけど、お互いまだ好きなんだったらヨリ戻したらいいのに」 「僕はそうしたいけど、彼女の気持ちがわかんないし。もう10年もたつしね」