兎心の宝箱2【短編集】


「あのねぇ。お母さんがねチラシを持ってたの。大事そうに鞄に入れてたのを見つけちゃった」

「美香、勝手に人の鞄を見るのはいけないな」

「ちがうもん、お母さんが鞄を放り投げた時にチラシがでてきたの、慌てて隠してたけどお父さんの名前が見えたからさ」

「そうか……、彼女が……」

意外だった。

まだ、僕の絵を気にしてくれてたなんて。