兎心の宝箱2【短編集】


「お母さんは絶対お父さんの事まだ好きだって! 絵で成功したんだから迎えに来てあげてよ! お母さん絶対待ってるよ。別れてから一度も会ってない訳じゃないんでしょ?」

「いいや……、あの日から一度も会ってない」

美香の目が大きく見開く。

「嘘でしょ? 信じられない……」

「本当だよ……」

あの日の事が目に浮かんでくる。