「ほんなら、三時間後にこちらに戻って来ておくれやす。」
あたし達は店を出て壬生寺へ向かう。
「壬生寺って言ったら、やっぱり新撰組だよね。」
七海が扇子で扇ぎながら言った。
「だよね!ウチは断然沖田総司!天才剣士とかまじかっこいい!」
「えー!そこは土方さんでしょ。」
班員は新撰組の話で盛り上がる。
「咲夜は?誰がタイプ?」
七海が聞いてくる。
「あたし?…タイプっていうか…かわいそうな人達だなって思う。」
「何で?」
「何でって…」
そう言って、あたしは空を仰ぐ。
「何でだろう。そう思うから。」
実際、自分でも理由がわからなかった。
「ふーん。」
七海もそれ以上聞かなかった。