「アハハ!咲夜何で袴?着物でしょ、普通。」





「あたしはこっちのが良いんです。」







今、あたし達は着物のレンタルショップにいる。







今は自由行動で、七海がどうしても着物を来て回りたいと言うので、三時間だけレンタルすることにした。







「暑いじゃん。」



と反対したあたしや班員の意見を押し切った七海は、自分の着物姿に見惚れ、鏡の前でくるくる回っている。







真っ赤な下地に大きな蝶が舞っている柄は、背が高い七海にピッタリだ。







それに比べてあたしは、腰まである黒髪をひとつに束ね、紺色の着物、灰色の袴といった将に侍の姿だ。





しかも腰には刀。偽物で抜くことは出来ないんだけどね。