「寒っ!」
あたしは、頬を掠める冷たい風で目を覚ました。
辺りはすでに闇に包まれている。
「やばい。七海達、怒ってるよね。…ってか、衣装返さないと、延滞料金取られちゃう。」
あたしは、レンタルショップへと足を運ぶ。
境内を出るが、来る時とは雰囲気が違うことに気付いた。
「こんなに建物古かったっけ?それ以前に、道路舗装されてねーし。」
まぁ良いかと、そのまま足を進める。
が、20分、30分歩いても店は見つからないし、どこの家にも明かりが付いていない。
あたしはだんだん不安になっていき、知らぬ間に早足になっていた。