「どこをどう振っても八万円なんてビッグマネーが出ないっちゅーのに、中古でそれなりのをこっちで用意しちゃいけないんかい! 」
「先生との付き合いにヒビを入れる気かキサマは」
「そんなん知るか! 事前にちゃんと話を金主であるこっちに通さない方がおかしいんじゃコラァ! 」


仁義無き戦いの末、結局8万円で購入する事を余儀なくされました。


で、あたくし実家の親に頭下げまして


「すまん、孫の為にバイオリンを買ってくれ」


と。


どんだけ嫌だったか!


結婚式を挙げなかったのも嫁入り道具を買わなかったのも、全ては


「嫁に行く以上、親の世話にはなるまい」


という頑ななポリシーがあったから。


それを曲げるのはどれだけ嫌だったか!


実母は易々とお金をくれましたが、なーんか腑に落ちない結末となりました。