花澄先輩はそれはもうモテる。


黒く艶のあるストレートな腰にまで届く髪。


色素の抜けた、茶色のスラッとした目。


白い肌、華奢な細い体。


どれもが素晴らしい花澄先輩は、とてつもなくモテる。


だから、僕が花澄先輩と一緒にいて、妬んでくる人もこれまた多い。


まぁ僕は、花澄先輩のおかげで、リンチにされても逆にボコボコにして帰還するけど…。


喧嘩は花澄先輩のおかげ(せい)で強くなったから、それは感謝している。


そもそも、何故学校一モテると言っても過言ではない花澄先輩と、なんにもないただの高校生の僕がいつも行動を共にしているのか。


それは、僕がこの学校に入学する前、約3ヶ月前に遡る――――