「ん。 野球やってねーと、 俺暇だわー」 松永は外を見ていた。 窓から、 グラウンドで野球部が練習しているのを見える。 「足、どしたん?」 あたしは松永に近寄った。 「…関節やっちまった 俺さ、スライディング下手だからっ 足ひっかかったん」 松永は ははっと笑った。 私に背中を向ける。 「もしかしたらさー 一生野球できねーかもな」 声が、 震えていた 「野球なしの人生って… 考えられねーよ」 「何言ってんの…」