香奈枝は怯えた顔をしている。
こんな目をしてる俺を見たのは初めてだったからだろう。

「悪いけど…当分会わない」

ゆっくりと俺はその言葉を口にした。
"会わない"とは言ったけれど、俺が大阪から出て行けば良いわけだ。

「翔ちゃん…」
「どうすればええんか分からへんから」
「翔ちゃん…」
「じゃあな」
「翔ちゃん…」

俺はそのまま部屋を出た。
そしてある決意を持って大阪から出ていくことにした。