「おかえりー!由梨…」

ドアを開けると同時に香奈枝がリビングの方から顔を出した。
最初は笑顔だったものの、俺の顔を認識すると顔を強張らせた。

「香奈枝…」
「な、んで…?」
「由梨と浩平が教えてくれた」
「そうなんだ…とりあえず、あがって…?」
「ん…」

きまずい空気の中、俺はとにかくリビングに向かった。

「急に来て悪かった」
「ううん…」

会話が続かない。
当たり前か…。
でもこれじゃあいけないと思った俺は由梨から聞いたことを聞こうと思った。

「「あのさ」」

すると、俺と香奈枝の声がハモった。