「由梨、ありがとな」

そう言うと由梨はニッコリ笑った。

「ええねんよ。2人がちゃんとやってくれれば」
「せやでー?俺と由梨はお前ら2人を応援してんねんから」
「2人とも…」

2人の言葉に涙が出そうになった。

「さっ、着いたよ!翔太、いってらっしゃい!」

タクシーのドアが開くと同時に由梨が俺の背中を押した。

「おう!」

そして俺は由梨の家のドアをゆっくりと開いた…。