新幹線でそんな思い出を思い出していると、もう大阪が近くなっていた。

「香奈枝…大丈夫かな…」

さっきからそんな風にずっと呟いている。
全く香奈枝のことが頭から離れない。
でも、だからこそ、真剣に香奈枝への気持ちを考えられたのかも知れない。

「どうか、無事で…どうか…」

するとバイブ状態にしていた携帯が震えた。
浩平からの電話だった。
俺は移動して電話に出た。

「もしもし?」
『あ、翔太?今何処?』
「もうすぐで大阪着くとこ」
『実はな…』
「なんだよ?」
『翔太が大阪に来る理由って…』
「んだよ、早く言えって」