「それでおばさんとおじさんは?」
「2人はこっちでの仕事があるからこっちに居るわよ」

俺は大きなため息を吐いた。
そしてリビングから出ようとした。

「ねぇ翔太」

しかし母さんがそれを止めた。

「んだよ」
「あなたが香奈枝ちゃんのために何かをやったことは認めるわ。でもあなたは最終的に香奈枝ちゃんを傷つけた」
「んなことぐらい分かってる」
「だったら…あんたが香奈枝ちゃんを助けなさい」
「母さん…」
「2泊3日ぐらいなら許してあげる」

そう言うと母さんはニコッと笑って財布を取り出し、5万円を俺に渡した。

「…良いのか?」
「それで足りなくなったら自分のお小遣いでどうにかしなさい」