「香奈枝さぁ…これからどうすんねん?」

俺は俯きながら聞いた。

「何が?」
「学校とか」
「行くで、普通に」
「そっか」
「翔ちゃんが一緒なら、ね」

この言葉で俺はやっと香奈枝の顔を見た。

「かーわいいー」

俺はいたずらな笑みを浮かべながら言った。

「うるさいなー!でも、ほんまやからね?」

香奈枝は顔を真っ赤にして言った。
そんな姿に微笑んでいると、ようやく駅に着いた。

「降りるで、香奈枝!」
「らじゃー!」

新大阪では言い合いの原因になった香奈枝の荷物を俺がひょいっと持って新幹線を降りた。