さっきと同じリビングに通され、今度は落ち着いて座った。

「あのね、翔ちゃん…」
「ちょっと待って」

早速話そうとする香奈枝を俺は止めた。

「何?」
「しっかり聞けるか分かんない」
「うん」
「でも…聞くように努力する」
「分かった」

そう言って香奈枝は過去の話をし始めた。

途中香奈枝は苦しそうな顔をしたり、涙を流したりした。

俺はと言うと、意外に冷静に聞けた。
でも、香奈枝の苦しみとかは全て分かった。

「香奈枝…」
「あー!やっと言えた!」

話し終えた香奈枝はすっきりした顔になっていた。