「この靴が入った女性を、どんな女でも迎え入れると言っただろう?
それに俺は、この人と会ってるよ」
抱きしめていた身体を離し、手を握り、頭を撫でられた。
子飼いに、されてね?
でも、アタシの頬には涙が伝っていた。
「何泣いてんだよ…」
「…、わかんねぇよ」
目をそらすと、頬をつかまれ、こっちに向けられた。
そして、唇に何か触れた感覚。
「…お前が泣いてると、もっと泣かせたくなる(笑」
「…………………コロス」
「ハハッ」
手を引かれ、彼がきた馬車につれてかれる。
「…どこいくの?」
「城に戻って、盛大に結婚式だ!」
「え、ちょ…今から!?」
「ダメか?」
「当たり前だ」
この王子、マジで頭イカれてるぞ。笑
「…そういえば、お前名前は?」
「シンデレラだ」
「…シンデレラ」
「なんだよ」
「…好きだぞ」
一瞬、アタシは目を見開いたけど、すぐに、笑って見せた。
今までにない、最高の笑顔で。
それに答えるように、彼も笑ってくれた。
…、けど。
笑ってくれた瞬間。
スローモーションのように、彼の体が傾いていく。
「え…??」
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