少ないボーナスがあっという間に底を尽きる。放っておけばパチンコに消えていたであろう金だ。まったく惜しまないと言ったら嘘になるが、そこまで気にするものではなかった。
 下着から靴まで揃えた頃には時刻は夕方になっていた。
 近所のスーパーで買い物を済ませ、染まり始めた空のしたをふたりで歩く。ミー子の荷物は俺、スーパーの買い物袋は半々に持つ。
 洋服と下着は3・4日分の量を買った。それくらいの荷物なら女が持ち歩いても平気な重さだと思ったからだ。
 ミー子が俺に危害を加えないことは分かった。それでもまだ当分の面倒を見てやるほどの情はなかった。
 とりあえず今夜はうちに泊めて、明日からのことは明日考えればいい。
 古ぼけたアパートに帰宅すると俺たちはふたりで台所に立った。
 掃除も洗濯も料理もします、と豪語したくせに、ミー子は包丁を握ったことすらなかった。よく考えれば当たり前だ、箸は持てないのに料理が得意なはずがない。
 俺だって料理ができるわけじゃないが、流血沙汰になるかもしれないミー子を置いてひとりでくつろぐことなどできない。