「……」 屋上のドアが閉まった音がすると 辺りは一気に静かになった。 野次馬たちも隼人も、みんな。 誰一人喋ろうとはしなくて。 きっと誰もが不思議に想っただろう。 ――隼人の好きな人って? 騒ぎが収まり、 野次馬たちが屋上から出て行く。 みんな"すごかったよな~"なんて 他人事のように話していく。 隼人の好きな人、知りたいよ。