「んじゃ、ここで大丈夫」 あたしが止まったのは 細い路地の曲がり角。 優しく頷いてくれた堀北くんを見ると、 あたしの戸惑いに気付いているのが分かる。 「美優ちゃん!」 帰ろうと背中を向けたとき、 ふいに堀北くんに呼び止められて あたしは振り返った。 「今度また、遊ぼうな!」 "じゃあな"と付け加えて 堀北くんは手を振る。 あたしは何も言わず小さく手を振ると 家に向かって歩き出した。